湿疹とは

湿疹のイメージ写真

皮膚が何らかの原因によって炎症を引き起こすことによって、かゆみをはじめ、皮膚の発赤、ブツブツ、小水疱などの皮膚症状が現れている状態を総称して湿疹といいます。なお湿疹は皮膚炎とほぼ同義語で用いられることが多いです。

湿疹がみられる原因ですが、これは内的因子と外的因子が複雑に絡み合うなどして起きるとしています。内的因子とは、その人がもつとされる体質などが含まれます。いくつか挙げると、アトピー素因、皮膚のバリア機能の低下、発汗や皮脂の分泌過剰あるいは不足、ストレスの影響などがあります。また外的要因とは、外から受けるとされる刺激のことで、化学物質や薬剤をはじめ、ハウスダスト、花粉、金属、食物、細菌などがあります。

原因物質がはっきり特定しており、それに触れるなどして湿疹が起きている場合は接触皮膚炎(かぶれ)、乳幼児に発症し、強いかゆみを伴う湿疹が顔面や首回り、肘や膝の屈曲部に繰り返しみられるのであればアトピー性皮膚炎など、湿疹の原因が判明している場合は、そのような疾患名で診断されるようになります。

急性湿疹と慢性湿疹

湿疹は、大きく急性と慢性に分かれます。急性湿疹は、皮膚炎が発症して数時間~数日程度した状態で、皮膚が発赤してジクジクしていたり、小さな水疱がみられたりします。刺激物等に触れて発症しているとなれば、原因を除去して、炎症を抑える治療をしていけば、皮膚は改善していきます。

一方の慢性湿疹は、発症から1週間以上経過している状態です。皮膚は厚く、苔癬化している状態です。慢性湿疹の部位に触れるとゴワゴワした感触がみられるようになります。治療内容は、急性湿疹と大きくは変わりませんが、治療期間は長引くようになります。

検査について

問診や視診のほか、原因を特定させるための検査として、アレルゲンを特定させるための血液検査などを行うこともあります。

治療について

湿疹の原因が特定されている場合は、それを除去するための環境づくりを整えます。湿疹による炎症を抑えるための治療としては、ステロイド系外用薬の使用が一般的です。また、かゆみの症状が強ければ、抗ヒスタミン薬の内服薬が用いられます。