脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)とは

脂漏性角化症のイメージ写真

脂漏性角化症は、加齢に伴い皮膚に生じる良性のいぼ(角化性の腫瘍)です。
「老人性いぼ」「加齢性いぼ」と呼ばれることもあります。皮膚の表面が徐々に厚くなり、隆起した褐色〜黒色のしみやいぼとして現れます。
時間の経過とともに数や大きさが増えることがあり、顔や頭皮、胸元、背中など、皮脂の分泌が多い部位にできやすい傾向があります。

主な症状

  • 褐色〜黒色の盛り上がり
  • 表面がザラつき、かさぶたのように見える
  • 直径数ミリ〜数センチ
  • 数が増えてくることが多い(特に中高年以降)

通常は痛みやかゆみはありませんが、衣服やアクセサリーに擦れて炎症を起こす場合や、見た目が気になる場合があります。

原因

  • 加齢に伴う皮膚の変化
  • 紫外線による慢性的な刺激
  • 皮脂分泌の関与(皮脂の多い部位にできやすい)

他の病気との鑑別が大切です

脂漏性角化症は良性ですが、悪性黒色腫やその他の皮膚がんと見た目が似ることがあります。
当院ではダーモスコピー(拡大鏡)などを用いて慎重に診断し、必要に応じて皮膚生検をご案内します。

治療について

良性腫瘍のため、治療は必須ではありませんが、整容的な目的や刺激症状がある場合に行います。

主な治療法

  • 液体窒素療法(凍結療法)
  • 切除

費用

液体窒素
3割負担で約600-900円程度
切除
部位・大きさで異なりますが、目安として数千円〜1万円台程度(3割負担)です。

例:小さないぼの切除+病理検査:約5,000〜10,000円前後
※あくまで目安です