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てんかんと精神疾患を一体として診療できる体制

てんかんと精神疾患を一体として診療できる体制のイメージ写真

日本でてんかんと精神科を同時に専門的に診療できる医療機関は決して多くありません。
高田馬場クリニックこころとひふには、てんかん専門医かつ精神科専門医が2名在籍し、てんかんと精神疾患を一体として診療できる体制があります。

日本におけるてんかん専門医は、日本てんかん学会の専門医制度によると約900名前後とされており、人口規模を考えると決して多くはありません。さらに「てんかん」と「精神科」を両方専門的に診ることができるクリニックは希少です。

本ページでは、てんかんと密接に関係する精神症状について、専門的かつ実臨床に基づいて解説します。

精神症状は発作に関連して起こるの?

精神症状は必ずしも発作に伴って出てくるわけではありません。特に発作間欠期精神病については、発作が改善している時期に悪化する場合もあります(交代性精神病)。
てんかん発作に伴う精神症状は出現タイミングによって以下のような種類があります。

発作間欠期精神病

発作と時間的に関連せずに幻覚・妄想などの精神病症状や、抑うつ気分などの気分症状が出現します。時に発作が抑制されている時期に症状が悪化することがあり、抗精神病薬や抗うつ薬の治療対象となることが多いです。

発作周辺期精神病

発作に関連して幻覚・妄想などの精神病症状や、抑うつ気分などの気分症状が出現します。発作の抑制により改善されることが多いです。

精神症状が発作に関連するものなのか、それとも独立した症状なのかの判断には専門医の診察が必須です。

精神症状にはどんな種類があるのか?

てんかんに関連して、気分障害、精神病症状、不安障害、不眠症などの多彩な精神症状をきたします。また、てんかんと発達障害との関連も指摘されています。以下ではそれぞれについて詳しく説明します。

うつ病

てんかん患者さんのうつ病は「非常に多い」

てんかん患者さんのうつ症状の有病率は一般人口より明らかに高く、研究では 20〜50%程度に抑うつ症状が認められると報告されています。
これは単なる「持病があるから気分が落ち込む」という心理的要因だけではありません。

  • 背景にある生物学的要因
  • 側頭葉てんかんと辺縁系の関与
  • セロトニン・GABAなど神経伝達物質の変化
  • 抗てんかん薬の影響
  • 発作間欠期(interictal period)における慢性的脳機能変化

特に側頭葉てんかんでは、抑うつ症状が発作より先に出現することがあります。

「てんかんに伴ううつ症状」は見逃されやすい

てんかんに関連するうつ状態は、

  • 持続的な典型的うつ病
  • 発作前の抑うつ
  • 発作後の一過性うつ状態
  • 発作間欠期の慢性軽度抑うつ

など、非常に多彩です。

そのため、抗うつ薬だけでは改善せず、発作コントロールと並行して治療が必要というケースが少なくありません。

当院の強み

  • てんかん専門医かつ精神科専門医が発作型・脳波所見・気分障害を評価
  • 抗てんかん薬と抗うつ薬の相互作用を考慮
  • 自殺リスク評価まで含めた包括診療

「発作だけ」「気分だけ」ではなく、両方を同時に診ることが重要です。

精神病症状

てんかん発作に関連して幻覚・妄想などの統合失調症に類似した症状が現れることがある

発作間欠期精神症状の中には、慢性的に精神病症状が出現するケースもあります。

統合失調症に比べると陰性症状(感情変化が乏しくなる、引きこもりになるなどの症状)は目立たず、対人交流などは保たれることが多いです。
一方で、被害妄想などで就労に支障をきたす場合等には抗精神病薬の適切な調整が必要になることがあります。

不安障害

不安は発作の誘因にもなる

不安障害の有病率も、てんかん患者では高いとされています(20~40%)。

特に問題となるのは:

  • 予期不安(また起きるのではという恐怖)
  • 社会不安(人前で倒れた経験)
  • パニック障害との鑑別
  • 心因性非てんかん発作(PNES)との鑑別

発作かパニックか?

  • 数十秒で終わる
  • 意識減損がある
  • 同じパターンで繰り返す

これらはてんかん発作を疑います。

  • 数分~30分持続
  • 過呼吸
  • 死の恐怖

などはパニック発作を疑います。

しかし実際には「両方併存」していることも多いのです。

不安が発作頻度を上げるメカニズム

  • 扁桃体の過活動
  • 睡眠障害を介した閾値低下
  • ストレスホルモン増加

つまり、不安治療はQOL改善だけでなく発作予防にもつながります。

当院でのアプローチ

  • 他院と連携した脳波・MRI評価
  • 不安障害の診断面接
  • SSRI使用時の発作閾値考慮
  • 認知行動療法的アプローチ

不眠症

睡眠不足は最大の発作誘因

これは臨床的にも科学的にも明らかです。

  • 睡眠剥奪は発作閾値を低下させる
  • 徐波睡眠とてんかん活動は関連

不眠の原因は多因子

  • 抗てんかん薬の副作用
  • 不安・うつ
  • 概日リズム障害
  • 発作恐怖

慢性的な不眠は発作頻度を悪化させ、さらに不安を強める悪循環を作ります。

睡眠薬は安全か?

ベンゾジアゼピン系は抗てんかん作用を持ちますが、依存や日中傾眠の問題があります。
一方、メラトニン、オレキシン受容体拮抗薬、適切な抗てんかん薬選択
など、戦略的な治療が必要です。

当院の強み

  • 発作型に応じた薬剤調整
  • 精神科的介入と生活指導

てんかんと不眠を同時に診られることは、てんかん専門医かつ精神科専門医が少ない日本では非常に重要です。

発達障害(自閉症スペクトラム障害・注意欠陥多動性障害)

発達障害とてんかんの併存率

ASDでは5~30%にてんかんが合併し、知的障害がある場合さらに高率となります。

神経発達の共通基盤

  • シナプス形成異常
  • GABA系機能異常
  • 遺伝的背景の重複

つまり、発達特性とてんかんは「別の病気」ではなく、脳発達の連続性の中で理解する必要があります。

ADHD治療薬は使える?

メチルフェニデートは慎重投与で使用可能とされていますが、発作コントロール状況、脳波所見、併用薬を総合判断する必要があります。

思春期以降の二次障害

  • 自己肯定感低下
  • うつ
  • 社会不安

発達特性+てんかん+気分障害が重なると、社会適応に大きな影響を与えます。

当院の包括的支援

  • てんかん専門医かつ精神科専門医による発作評価・発達特性評価の実施
  • 必要に応じ心理検査紹介
  • 就労支援や環境調整アドバイス

なぜ「てんかんと精神科を同時に診る」ことが重要なのか

てんかんは単なる「発作の病気」ではありません。

  • 気分
  • 精神病症状
  • 不安
  • 睡眠
  • 発達特性
  • 社会適応

これらが複雑に絡み合っています。
しかし日本では、てんかん専門医は約900名しかいません。
その中で精神科も専門的に診療可能な医師はさらに少数という現状があります。

高田馬場で希少な専門体制

  • 高田馬場クリニックこころとひふでは、てんかん専門医かつ精神科専門医が2名在籍
  • てんかん専門医かつ精神科専門医による包括診療
  • 抗てんかん薬と向精神薬の専門的調整
  • オンライン診療対応

という体制を整えています。

このような方はご相談ください

  • 発作は落ち着いているが気分がつらい
  • 不安が強く外出できない
  • 不眠で発作が増えている
  • 発達特性があると言われた
  • 他院で、気のせい、と言われた

てんかんとこころの問題を、分けずに診る。
それが私たちの診療方針です。